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日曜日に水月塾の本部のある山梨県に行き、小佐野先生から個別稽古をご指導していただきました。
以前より気になっていた神道無念流の所作を事細かに教えていただきました。1日かけて本当に細部にわたるまで教えていただくことが出来て本当に充実した1日となりました。
また、昼食後には、小佐野先生が作られたテキストを用いて「三丹田」についての座学の講習を受けました。丹田と言う概念は、伝統武術独特のものと思われがちですが、論理的にまとめたことがないだけで、現代のどのスポーツや格闘技にも生かせる考え方であることは、間違いありません。何百年経ったところで、人間の骨格や神経回路が劇的に変化することなどありえません。人間の体をどう使うか、どう意識するか。そして、その知識をどう生かすか?、と言うことが大切なのです。
丹田とは、すなわち人間の体をどう意識して操作するかと言う目安のようなものです。丹田を想像しない人には存在せず、丹田を意識する人には、運動をする際のトリガーや着地点になります。
丹田を意識せずに運動する人は、また別のルールに従って体を操作する訳ですが、人体の構造や重力のルールは、どうあがいても現実世界に存在する訳ですから、結果的に丹田を意識する人達の身体操作と同じような所に着地します。
丹田と言う概念は、そのルールを理解しやすくした道しるべであります。
日本は、身体操作の指導について、このように合理的な方法を伝統的に伝えていたにもかかわらず、現代の武術家は、意外なほど、この丹田についての説明が下手で抽象的な表現をする人が多いのは、とても残念です。
小佐野先生のテキストと説明は、とても分かりやすく、流石プロの教育者(小佐野先生は、高校教諭)による講習と思いました。私も是非とも近いうちに姫路でもこの講習を門人にしようと予定しています。
私は、丹田の講習と共に花押のご指導も受けました。これまで自分の花押に対する疑問点がとれ、もう少し花押のデザインを広げられる可能性を得ました。先日、門人の一人に藤二ツ流半棒術の免許皆伝の免状を出しましたが、まだまだこれからもたくさん免状を出さなくては、なりません。それまでに花押のデザインを考えようと思いました。

そして、この日、小佐野先生から書を二枚頂きました。一枚は、大変、ダイナミックなデザインの書です。武歌なので、公開しませんが、とても凄いデザインでした。
そして、もう一枚は、歌です。
無学な私は、歌の意味がわからず、正直に「これは、どういう歌ですか?」と、尋ねた所、小佐野先生は、大変、丁寧に説明してくださいました。
本日、14時間の睡眠をとった後にネットで調べると「桜木を~」が一休さんの歌だったと知りました。
武術の知識ばかり漁らず、色んな事に目を向けなければならないなぁ、と思い知らされました。
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今週は、夜勤なので店に行く時間的余裕がありますので、近いうちこの二枚の書は、掛け軸にしてもらおうと思います。
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兵庫県北部の香美町には江戸時代、村岡藩がありました。
27日の早朝6時に家を出発して、昨晩の大雪でえらいことになっている兵庫県北部に出かけ、村岡陣屋跡と周辺の神社を見てきました。
2月に山梨県に向かうので車にスタッドレスタイヤを履せていたので、車自体は何の問題もなく走行できましたが、とにかく車を降りてからの足元が悪い。
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とくに丘の上にある村岡陣屋に向かう道のりは、雪の中に膝までずっぽりはまってしまうので、とても歩きにくい。膝まである長靴を履いていましたが、あっという間に靴の中に雪が入り、あまり散策できませんでした。
また、丘の反対側にある藩主が特に信仰した神社には奉納額らしきものがなく、空振り(?)感を感じてしまいました。
しかし、そのあと入った民俗資料館では、村岡藩の御用日記3冊を購入出来ましたし、村岡藩藩主の山名氏ゆかりの品々が展示されているお寺「法雲寺」を拝見できましたので、今日一日はとても良い経験が出来たと言えるでしょう。
法雲寺は普段は雪の多い季節には開館していないということでしたが、特別にご住職が開けて下さり、中を拝見させていただきました。
中に展示してある武具の多さは古流を学ぶ者としては、宝の山です。村岡藩は、元々は旗本でしたが、幕末「慶應4年」になってから石高の見直しと共に藩に昇格した、かなりギリギリ藩になれた小藩ですが、室町時代に最大規模の勢力を誇った山名宗全の末裔が治めたということもあって中々、見ごたえがある品々でした。
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陣羽織に十文字槍、金で龍の絵が描かれた素槍、徳川家から贈られた大砲、鎧一式、山名氏と家中に伝わっていた刀剣の数々。
中でも私の目を引いたのが、山名家家中の家に伝わっていた剛刀が付いたこの鎖鎌でした。本当に凄まじい鎌です。
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鎖部分は溶接はもちろん溶着技術ではなく、折り返しの技術で作られた鎖で、当時の武器製造の方法を見ることが出来ました。
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とにかく、素晴らしい展示内容なので兵庫県下の古流修行者には是非、一度訪れていただきたい場所でした。雪がなくなる4月以降なら空いていると思います。

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先日、とあるイベントに参加して江戸期に兵庫県下で学ばれた武術の巻物等を紹介しました。
私の想像を越える人達が興味を示して下さり、私としては、とても楽しいイベントでした。
しかし、少し気になったのは、数人の女の子から発せられた「いやーん、何か怖い!」と言うセリフでした。彼女達は、武術の巻物に呪い的な何かを恐れているかのように思えました。(可能性としては、私の見た目がキモすぎると恐れていた事も考えられますが、その可能性は排除します。)
まぁ大体、男性はそういったものを信じず、女性は恐れるものですから、配慮が足りなかったのかも知れません。
そこで武術の巻物に恐れるようなものはないと、伝えて安心してもらいたいな、と思います。

現代社会とは違う江戸時代。宗教は、当時の人達にとっては、科学そのものとも言えるほど、信用されていました。その為、武士達は、武術以外にも呪術を学びました。山崎藩の家老の御子孫である横井氏のもとには、山崎藩の古文書が多くの越されていますが、その中に魔除けの呪術の古文書も残されています。現代人にとっては、馬鹿馬鹿しい話ですし、当時の武士の誰しもが魔除けを信じていたと断言しませんが、例え信仰していなくても箔付けになったことは、間違いありません。
そして、同じ理由で武術の巻物にも邪を払う教えが紹介してあったりします。
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画像は兵学の巻物です。
栗の木を5本と4本組み合わせて、敵を止める尺木(さかもぎ)と言う柵を作ってます。
木には、九字を書くように指示しています。この九字と言うのは、魔除けの呪いとして、古くから信仰されています。
九字「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前(もしくは「行」)」の九つの呪文です。意味するところは、
「(天の)兵が臨〈のぞ〉まれて(降臨)、闘う者たちが、皆、陣を組んで、(私の)前におられます(在)。」と、言ったところです。(在の文字が行の時は、行進すると言う意味です。)
つまり、「私は、天の軍神が守ってくれています。だから邪悪、妖魔の類は、去れ。」と言う悪魔払いをしているわけです。
九字は、日本中に広く知れ渡った悪魔払いの呪術なので、山岳宗教、仏教、密教だけにとどまらず、おおよその武術でも学ばれています。
余談になりますが、戦争の前に邪を払って、自軍を勝利へ導く呪いは、古今東西よく用いられます。有名なアーサー王に仕えた魔術師マーリンは、アイルランドに実在した権力者がモデルになっているとも言われますが、その可能性は、大いにあります。戦争の前に悪魔払いの知識に優れたシャーマン的な権力者がアーサー王の同盟を組んでいたと考えれば、納得もできます。(この場合、実際に魔法が使えると言う話ではなく、日本の卑弥呼のような存在だと言うことです。)
特別、日本だけの信仰ではありません。

さて、武術には、邪悪を払うことに特化した武術もあります。それが弓術です。
弓術には、的を悪鬼に例えて、矢をいって悪魔払いをする信仰があることは、これまでご紹介した奉納額を見ていただければわかります。
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そして弓術には、「蟇目」と言う悪魔払いの方法が伝えられています。
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蟇目は、悪魔払いとして、弓術で用いられました。
蟇は、ヒキガエルの事で、古来よりヒキガエルは、神聖な存在としても世界中で信仰されました。
おかしな神話に聞こえるかも知れませんが、古代、邪龍の天敵は、鳳凰以外に大カエルがいると信仰されていました。邪龍を食い殺す大カエルの神話は、日本にも存在します。ヒキガエルは、邪悪を払う存在なので、弓術の悪魔払いもその信仰の一つです。
また余談になりますが、ヒキガエルはアレキサンダー大王や日本の天皇に献上されたり、ヨーロッパでは、メイディに食されました。キリスト教で悪魔の姿として蛙が用いられるのも、キリスト教以前の宗教を排除するためです。
ヒキガエルは、宗教的に見れば神聖な生き物の側面もあるのです。

古流には、こういった悪魔払いの方法も伝わっています。だから、信心深い人は、安心してご覧になってください。古流の巻物には、邪悪を払う力はあれど呪いは、かかっていません。
今回は、これらの巻物を持参していなかった為に信心深い人に無用な恐怖を与えてしまいましたが、二月、五月のイベントにも参加するので、そのときは蟇目や兵学、呪術の巻物も持参して説明しようと思います。

余談
女性の悪魔払いとして簡単な方法を一つ。
世界中で共通する古代信仰に女性の悲鳴、泣き声は、冥界まで響き、邪を呼び寄せるというものがあります。
だから、女性は絵顔を大事にしてください。そして、女を泣かせるような男に引っ掛からない事です。それだけで幸せが訪れると言う、とても理にかなった信仰ですね。

皆さんは、書き初めはされましたか?
私は、恐らく学校行事以外で人生初の書き初めをしました。
書いたのは抱負ではなく、免状です。
今月中にお一人に藤二ツ流半棒術の免状を出します。
ので、免状を書く稽古中です。
練習だからと言ってコンビニの半紙を使ってみたら書いてみて驚いたのが、ビックリするほど、墨が滲む事。20枚ほど書いて、これでは、話にならないと思い、書道をやってる母に相談したところ、色々な半紙を貸してくれました。どうも私には、かな文字用(?)の半紙が都合が良さそう。
それにしても「何でも道具」ですね。半紙なのにそれぞれ全く違う肌触りでした。道具の大切さを改めて思い知らされました。
もっと練習しなくては。でも、ちゃんと仕上げられるのは、二月になるのかも知れません。
私の資質では、これ以上うまくならないかも知れません。
最後の手段は代筆です。書道の人に頼みます。藩校とかも右筆に頼んでいたようですから、それもアリですよね。
て言うか、公的な効力のある書状ですし、むしろ、右筆に頼むのが正しいですよね。
と、逃げ道を作りつつ、今日も字の練習です。
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新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
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